法律コンビニ!街の法律家として皆様のお役に立ちたい。

行政書士と建築・道路・境界35

行政書士と建築・道路・境界35
境界確定訴訟と民事訴訟との違いであるが、民事訴訟は私人間の権利義務に関する争うための手続きだ。
筆界は固定資産税などの課税の基準や、市町村の行政区画の基準になるため、私人間の合意のみで確定することはできない。本来なら私人間の訴訟の対象にならないはずだ。
しかし、筆界に関する争いを解決するための訴訟については、法律の規定が存在しないものの、筆界確定訴訟によって行われている。
そのため、筆界確定訴訟は、通常の民事訴訟と異なる点が多くある。
民事訴訟では、原告が明示した請求以外のことを審理できず、原告や被告が主張していない事実を裁判所が認定することはできないが、筆界確定訴訟では、原告が特定の境界を主張していない訴
えが却下されることはない。
裁判所は、係争地域の占有状況、相隣接する土地の公簿面積と実測面積との関係、公図などの図面、境界線などの証拠の基づいて、原告や被告の主張に拘束されることなく、合理的な境界を定める。すなわち、筆界確定訴訟においては、原告の請求を棄却することはないのである。