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行政書士と刑法基礎54(文書偽造罪)

行政書士と刑法基礎54(文書偽造罪)
文書偽造罪の偽造の定義であるが、当たり前であるが、名義人と作成者の同一性が異なることである。また、文書偽造罪の法益は偽造罪の保護法益は文書に対する信用である。さらに、偽造には
①有形偽造
通常の偽造
②無形偽造がある。
虚偽作成と言われている。
偽造に加えて文書の変造というのもある。
文書偽造罪には次に示すような種類がある。
①有印私文書偽造罪
②有印私文書変造罪
③(無印)私文書偽造罪
④(無印)私文書変造罪
私文書偽造罪の要件は
①文書性
コピーした物にも、原本と同様の社会的機能と信用性があるため、文書性が肯定されるとされている。
②偽造
名義人と作成者の同一性の人格の同一性を偽ること。作成者とは、文書作成の意思主体。難しいことであるが、この文書の意思は誰に帰属する・由来するんだ?」ということをじっくり考えるべきであり、単純に文書を作った人ではない。
③有印
有印があれば文書の信用性が高まる、その文書を偽造したのであるから、有印私文書偽造罪は無印の私文書偽造罪より刑が重くなる。
④故意
公文書等偽造罪(刑法155条)の要件は
公文書の場合の有印は公務員の印章である必要がある。
①公文書
②偽造
③有印
④故意
論点であるが
本人の同意があれば実際に手を動かして文書を作った人ではなく本人が作成者となる。本人の同意があっても、文書の性質によってはその同意は許されないものとされ、作成者は実際に手を動かした者となることがある。
交通事件原票供述書(私文書)は文書の性質上、名義人以外の者が作成することが許されない文書であるため、名義人の同意があったとしても、作成者は本人になる。⇒私文書偽造罪。運転免許証申請書や入試答案、クレジットカード申請書、預金口座作成申請書なども名義人以外が作成すると私書偽造罪になる。
肩書・資格がないのに、肩書・資格ない人が公文書を作成すると公文書偽造罪になる。
偽造文書を使った場合は、別に行使罪が成立する。偽造罪と行使罪は牽連犯(刑法54条1項後段)だ。併合罪や観念的競合ではない。