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行政書士と刑法の基礎30(責任能力)

行政書士と刑法の基礎30(責任能力)
 刑法は、最終段階が責任である。当たり前のことであるが、罰するためには、その罰される人に責任能力がなければなりません。
 つまり、責任能力とは①刑事未成年と②心神喪失,③心神耗弱,④関連する原因において自由な行為である。
①刑事未成年
 14歳未満の者は刑事責任を問われない。
②③心神喪失(精神障害)、心神耗弱(弁識能力、制御能力障害)も刑事責任を問われない。ぐてんぐてんに酔っぱらった状態が心神喪失、心神耗弱とされることがある。心神喪失は責任能力なし。心神耗弱は責任能力に欠けているということで減刑される。
④原因において自由な行為である。
 自ら酩酊して心神喪失、心神耗弱になった場合は刑事責任を問えるのだろうか?その場合は、行為を行ったときの意思決定が重要となる。意思決定が連続して続いていれば刑事責任が問える。
 殺人するために、大量のお酒を飲んで酩酊状態(心神喪失)になり、殺人を行った場合、刑事責任がなさそうに思われる。
 しかし、殺人をしようと意思決定しそのまま行為を行ったとき
まで(心神喪失時まで)継続しているので刑事責任は問えるのである。

2022/10/17