行政書士と刑法基礎22(因果関係)
刑法総論の最初が「因果関係」である。因果関係には、①事実的因果関係と②法的因果関係がある。
事実的因果関係とは、「食べ過ぎたたから,おなかが痛い」という場合、「食べ過ぎなければおなかが痛くならなかった」かどうかを検討し、これが言えれば,「食べ過ぎたこと」と「おなかが痛いこと」の因果関係がいえる。
法的因果関係とは、自動車に同乗させたら、偶然事故で亡くなった事例であるが、事実的因果関係の条件関係を考えると「自動車に同乗させなければ事故で亡くなることはなかった。」といえるので因果関係があるとなってしまい不自然である。
法的因果関係とは刑法が特別に用意した道具で、社会一般としての基準で因果関係を考えるべきであるということである。
条件関係が認められるに加えて「法的に」因果関係が認められるか検討することである。法的因果関係の判断基準で「一般人から」と「行為者自身から」相当かを判断することである。
たとえば,喧嘩をしていて殴ったら殴った相手が傷害を負った場合であるが、一般人の経験で,人を殴ったら傷を負うというのは相当である。よって相当因果関係が認められる。条件関係が認められることが前提となるが。「相当」かどうかの判断は行為時に行われる必要がある。
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