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行政書士と刑法の基礎④

法律解釈方法には
①文理解釈
 法律に書いていることをそのまま適用すること。
②理論解釈
 条文に書いてあることを使って判断をすること。
 理論解釈には次の方法がある。
(ア)拡張解釈
   電気のように目に見えないものを窃盗するようなことが生じた場合に、財物を広い意味で「他人が支配しているもの」
  と解釈して処罰の対象にする。
(イ)縮小解釈
   法の言葉を狭めて使うような方法で、例えば民法177条は、不動産を手に入れた場合には登記をしないと、契約当事者以
  外の第三者に「私が不動産の所有者です」と主張できないとされているが、この場合、「第三者」を当事者以外の者で登
  記がないことを主張する正当な利益がある人」と限定して縮小して考えるのである。
(ウ)もちろん解釈
   条文が規定された趣旨を考えれば当たり前なので書いていないだけで、「もちろん適用される」という判断をする方法
  民法738条は、成年被後見人は、結婚をするのに、成年後見人の同意は必要ないとしている。婚姻は一身専属権(その人だ
  けに与えられた権利)だからである。成年後見人は代理権や取消権を行使できない。同じように判断能力が落ちている被保
  佐人の結婚に対して保佐人には代理権や取消権を行使できない。
(エ)反対解釈
   一定の記載事項があって、そこから読み取れる反対の読み方をする。例えば民法96条3項は、詐欺にひっかかって財産を売却してしまった
  人は、その財産売却を信用して取引関係に入った第三者に権利を主張することはできないとしているが、96条1項・2項では、詐欺・脅迫が
  あった場合の規定をしているが、3項で第三者が現れた場合には、脅迫はあえて抜いてある。ということは、脅迫を受けて財産を売却した人
  は第三者に対しても主張できる、と判断する方法が反対解釈である。

2022/9/21