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行政書士と法定後見⑦

行政書士と法定後見⑦
 今、法定後見の現場は様変わりしつつある。身寄りのない高齢の生活保護受給者が急激に増加しつつあるからである。残念ではあるが、弁護士、司法書士、社会福祉士だけでは、後見現場に対応しきれなくなったというのが偽ざる現実なのである。つまり、行政書士も厳しい後見現場を担わなくてはならなくなったということである
 身寄りのない貧しい被後見人については次のような問題点がある。
1 被後見人の埋葬について 
ー墳墓が用意されていない場合についてー
 身寄りのない人が亡くなった場合、戸籍をたどって親族を探し、遺体の引き取り・火葬・埋葬の依頼をする。生前お付き合いの合った知人が葬儀を引き受けてくれるケースもある。葬儀を行える方がいない場合は自治体が簡素な火葬・埋葬を行う。

・葬儀費用については、故人に財産がある場合は故人の財産から捻出される。遺族や親族が葬儀を行うが葬儀費用がないという場合は、公的医療保険から給付される「葬祭給付金」や「埋葬給付金」、生活保護の方が亡くなった場合には「葬祭扶助制度」などの利用も可能である。自治体が火葬・埋葬をするが故人に財産がない場合は、費用は自治体が負担する。

・身寄りのない人の遺骨は、自治体で一定期間保管した後に無縁塚へ合同埋葬される。無縁塚へ納骨後はもし遺族が現れたとしても遺骨を取り出すことはできない。ただし、いわき市では無縁仏については消極的であるという問題がある。
2報酬案件について
  非常に低額な報酬案件については社会福祉士が福祉の観点から対応してきたが、社会福祉士も飽和状態であるので、弁 護士、司法書士、
 行政書士も対応せざるを得ないのが現状である。非常に低額であっても被後見人に収入があれば報酬助成制度は適用されないという問題が
 あるが、今回の私の事例では被後見人は生活保護を受けているので、非常に低額な報酬であるが、報酬は支給される。
 これからは、行政書士が法定後見現場で活躍せざるを得ないだろう。非常に低額な案件など弁護士や司法書士がやりたがらなくなるからである。

2022/9/8