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行政書士と法定後見③

行政書士と法定後見③
 法定後見の場合、後見開始等申立書は市の権利擁護センターの職員が作成し、裁判所に提出する。権利擁護センターの職員は社会福祉士の資格を持っている場合が多い。
 法定後見人に就任したら、後見開始等申立書の内容は把握している必要がある。後見人の審判確定書が送付されてきたら、早速、この後見開始等申立書を裁判所に出向き、閲覧請求(コピーを取る)ことは必須だ。被後見人の親族関係、財産目録等について把握しなければならない。
 後見開始等申立書を作成した権利擁護センターは被後見人の情報を個人情報ということで全く公開してはくれない。つまり、権利擁護センターは後見開始申立書の作製などの事務的なことはするが、後見人をサポートすることはない。もちろん、アドバイスなど期待することはできない。
 裁判所(裁判所書記官)も制度上、後見人を指導する立場にない。ただ、後見人が提出した書類を預かり形式上の誤りがないかごうかチェックするだけである。書類裁判所に書類すると、書記官に「何かあったら、2週間後に連絡します。」と言われるだけである。
 後見人に就任すると、権利擁護センターも裁判所も全くあてにはできないので自分で判断するしかない。被後見人の後見については、後見人は絶対の権限がある。システム上そうなっている。後見人は孤独なのである。このことにいち早く気が付かなければ後見人は務まらない。

2022/9/4