小説 行政書士デジタルアーミー第23話
「ひょっとして・・・・」悟の心の中で不安が湧きあがった。アメリカの諜報機関NSAに監視されているというヴァネッサの訴えがに妙に気になったのである。
悟は慌てたように事務所を飛び出し、ヴァネッサのマンションのある渋谷に向かった。
英政府通信本部(GCHQ)がスマホ用の強力なウイルスを開発してくれたおかげで、サイバー諜報活動は大きく進化しました。感染に成功すると、通話していないときでも、スマホのマイクを起動させて周囲の音を拾えます。スマホが盗聴器になるわけです。スマホの位置を1メートル四方の単位で割り出せるウイルスもありました。周囲にある複数の基地局との位置関係に基づき、三角測量の原理で特定します。シリアやアフガニスタン、リビアでは、敵対勢力の要人がどこにいるかをスマホで特定して、上空の無人機からミサイルを撃ち込みました。クルマに乗って移動中に車両もろとも吹き飛ばしました。という諜報員の暗殺方法ついてのネット記事を思い出したのである。
渋谷に到着すると一目散にヴァネッサのマンションに向かった。
幸いにも、ヴァネッサのマンションの周辺に異常はなかった。
スーノーデンと知り合いであることから、ヴァネッサはNSAの職員である可能性は否定できない。
「だとしたら・・・ヴァネッサが「家の中でしか話せない」という訴えは「暗殺」されるかもしれないということなのだ。」
悟の心の中に不安が広がった。
「ヴァネッサは「監視下」に置かれている。腕のよい諜報員ならばヴァネッサが外を歩いているところを暗殺することは簡単なのだ。」悟の脳裏にそんな思いが湧きあがった。
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