小説 行政書士デジタルアーミー第10話
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「日本の刑法には、コンピューターウイルスを作成、提供、保管する「ウイルス作成罪」、オンラインバンキングやキャッシュカードを不正に操作する「電磁的記録不正作出及び供用罪」、ウェブサイトの改ざんやウイルスの埋め込みなどを行う「電子計算機損壊等業務妨害罪」、オンラインバンキングの不正改ざんを行う「電子計算機使用詐欺罪」などがあります。いずれも重い罰則や法定刑が決められています。サイバー犯罪や民法にインターネット関する規定はありません。ヴァネッサさん。日本でIT軍を編成することは不可能なんです。」悟は困惑した表情をして言った。
「勿論です。日本の場合は、ウクライナのようなIT軍ということではなく、、米中の大手ITプラットフォーマーが市場やデータを寡占化しようとする中、日本は、米中デジタル覇権に如何にして対応するかということなんです。AIに関しては、米中が積極的に研究開発を進めており、世界的な学会でも日本は後塵を拝しているのが現状なんです。私が言っているIT軍は軍事的な意味合いは殆どありません。日本の場合は。具体的には生産性向上を通じた経済成長、社会課題の解決を目指すSociety5.0を担う人材がIT軍なのです。IT軍について説明不足でした。申し訳ありません。」ヴァネッサは素直に詫びた。
「ただし、将来、日本の経済発展、安全保障のために日本型IT軍が日本のサイバーセキュリティを担わなくてはならないということなんです。日本の自衛隊のみでは限界があります。日本は米中とのサイバー戦を戦う必要に迫られているのが現状なんです。そこで、デジタル庁が目をつけたのが日本士業特に行政書士なのです。つまり、具体的には行政書士の独占業務にサイバーセキュリテイに関することを追加するということです。」ヴァネッサは理路整然と言った。
「は。は。そんなことは無理です。現実離れしています。」悟は声を立てて笑った。
「ロシアのウクライナIT軍と同様、おそらく、日本も、急遽日本型IT軍の創設を迫られることになるでしょう。」ヴァネッサ確信したように言った。
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