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小説 行政書士デジタルアーミー第6話

小説 行政書士デジタルアーミー第6話
「懇意にしている自民党議員から耳にはさんだ情報なんだがね。自民党は「サイバー反撃法」なる法律制定に動いている。」
長官はソファーから立ち上がって自分のデスクの引き出しから
資料を取り出すとヴァネッサに手渡した。
https://www.sanae.gr.jp/column_detail1182.html
「これは、凄いです。」ヴァェッサは驚いたような顔をして資料のページを捲った。
「サイバー反撃法の法的根拠ですか。う~ん。」資料を読み終えると開口一番言った。
「NATOの「タリン・マニュアル」(「サイバー攻撃に対する自衛権行使の可否」が参考になると資料にありますが・・・
日本の現在の軍事状況では、サイバー反撃法の制定は困難とは思われます。現在進行中のウクライナ戦争がサイバー反撃法制定に大きな影響及ぼすことは確実だとは思いますが・・・・」ヴァネッサは事務的な口調で言った。
「ウクライナIT軍の活動に対して根拠法令あるの?」長官は思いついたようにヴァネッサに言った。
「ウクライナIT軍は、正規の軍隊ではありません。義勇軍なんです。ウクライナ国防省が、同国で数々のサイバーセキュリティ企業を創設してきたイェゴール・アウシェフ氏の助けを借り、地下のハッカーたちやセキュリティ専門家たちに支援を呼びかけて設立された義勇軍なんです。」ヴァネッサは長官に丁寧に説明した。
 「志願者は、コンピュータウイルスの作成やDDoS攻撃など12分野の中から自分の得意分野を選び、Google Docs上の申請書類に記入します。身元証明書を提出し、内部で既に信頼を得ているメンバーたちから身元を保証してもらうことを条件に参加します。
 義勇兵としての参加が認められると、防御チームと攻撃チームに分けられます。防御チームは、電力や水道などの重要インフラのサイバー攻撃からの防御を担当します。一方、アウシェフ氏がリーダーを務める攻撃チームの任務は、ウクライナ軍がロシア軍に対して行うサイバースパイ作戦の支援です。今回の戦争やロシア国内の標的に関するインテリジェンスを集め、ウクライナ政府と共有します。 何を守り、狙うかについては、ウクライナ国防省からの指示に従わなくてはならなのです。」ヴァネッサは付け加えた。

2022/6/24