小説 行政書士デジタルアーミー4話
「鈴木さん。ご依頼の内容ですが・・」
佐伯裕子は手にしていた紅茶カップをテーブルの上に置くとゆっくりした口調で話し始めた。
「日本のデジタル庁は20万のIT軍を組織しようしています。」
佐伯裕子は悟の表情を伺いながら言った。
「IT軍?」悟は咄嗟に言った。
「ウクライナには既に30万IT軍が存在しているんです。具体的には、30万規模のIT軍SNSプラットホームが構築されており、ウクライナ戦争を戦っているんです。IT軍とは、わかりやすく言えば自民党の・・・」佐伯裕子は口ごもった。
「IT軍と僕はどんな関係があるんですか。」悟は顔を曇らせた。
「あなたは変な言い方ですが・・SNSに非常に興味があるのではないかと思ったんです。」佐伯裕子は悟の顔をじっと見た。
「SNSについては、職業柄、集客のためにやっているんです。」
悟はムッとした表情をして言った。
「わかりました。興奮しないでください。ただ、日本IT軍の候補者としてデジタル庁に報告してよろしいですか。」佐伯裕子は確認するように言った。
「IT軍なんてとんでもない。お断りいたします。」悟はきっぱりと言った。
事務所に戻って調べてみると、確かにウクライナにはIT軍は存在している。
https://www.dlri.co.jp/report/ld/186918.html
日本のデジタル庁がIT軍を組織しようとしているとは到底思えない。デジタル庁に電話。
「IT軍?そんなことはあり得ないです。は。は。」デジタル庁の職員の笑い声が聞こえた。
「佐伯裕子は何者?」悟の脳裏に疑念が湧きあがった。
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