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小説 行政書士デジタルアーミー第2話

小説 行政書士デジタルアーミー第2話
 瀟洒な造りのカフェだった。緑豊かなプールサイドでパスタや肉料理を提供するカフェバー。ラウンジ席もある。市街の景色を楽しめる。

 店内はカップルで賑わっていた。悟は店内を見回したが待ち合わせしている客はいない。白人のブロンドの女性が一人でプールサイドの客席でフレンチトーストにキャラメリゼしたブリュレを
食している。

「悪戯電話か。」悟が店を出ようしてドアノブに手をやると、背後に人の気配を感じて後ろを振り向くと背の高いブロンド髪の白人女性が立っていた。
「鈴木 悟さんですね。」白人女性は悟に笑みを浮かべながら言った。

「お待ちしておりました。佐伯裕子です。先ほどは突然、大変申し訳ございませんでした。」流暢な日本語だった。

「佐伯さんですか?」悟は白人女性に確認するように言った。
「立ち話もなんですから・・」白人女性は悟を食べかけのフレンチトーストが置かれている自分のテーブル席に案内した。

席につくと、白人女性はウェイトレスを呼んで食べかけのフレンチトーストをかたづけさせ、白桃のフレーバーティーを注文した。

 プールサイド席は白人女性と悟の二人だけだった。
「鈴木さん。あなた、ネット掲示板5ちゃんねるで凄い人気ですよ。」白桃のフレーバーティーをウェイトレスが丁寧にテーブルに置くと、突然、白人女性は言った。
「え!5ちゃんねる」悟は驚きの声を上げた。悟は5ちゃんねる掲示板なんて全く知らない。

「ご依頼の内容ですが・・」悟は話題を変えた。不可解な状況を変えたいと思ったのである。

2022/6/20