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行政書士とe-文書保存法⑤

行政書士とe-文書法⑤
文書の電子保存に関する法律には
①e-文書保存方法と②電子帳簿保存方法がある。
 e-文書法と電子帳簿保存方法の違いであるが
〇 e-文書法は、複数の監督省庁が管轄する法律(約250)が対象
医療や保険関係、証券や建築に関係する保存義務のある法定文書が対象です。電子化の申請や認可は不要だ。
〇電子帳簿保存法は財務省と国税庁が管轄する法律に関する文書に適用される。

e-文書法と電子帳簿保存方法との違いは
①e-文書保存法は電子化に対して税務署長の承認が必要ないが、電子帳簿法は必要である。(2022年からは承認の必要なし)

②e-文書法は省庁毎に保存要件がある。

保存のための要件として、e-文書法、電子帳簿保存法ともに
e-文書法要件
①見読性
電子化されたデータについて、必要なときにすぐに表示・書面出力が可能な状態であること。

②検索性
必要なデータをすぐに引き出せて、文書に活用できるように検索性が高い状態で保管

③完全性
電子署名とタイムスタンプの使用により、原本が正しい日付で、ありのままに保存されている(改ざんされていない)と証明されなくてはならない。

④機密性
不正アクセスができない措置がされていることが必要。

電子帳簿保存法
①関係帳簿の備え付け

②見読性の確保

③検索機能の確保

④保存上の措置
問題は③④の要件を満たすのが難しい。保存、検索の要件に、
請求書や領収書などは、メールにPDFが添付され届くことが多いだろう。ところが、検索機能の確保では、次の3つの要件を求めている。

・日付、金額、取引先の3つの項目で検索できること
・日付、金額は範囲を指定して検索できること
・2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できること

単にフォルダー保存では要件を満たすことはできない。
適切に保管していないと、青色申告の取り消しのリスクがあり、データ改ざんなど不正に対しては追徴課税を受けるリスクもある。

税理士事務所のレベルで電子帳簿保存法の要件をクリアできるのだろうか。

2021/11/6