政書士と簿記⑲
保険料を前払いした場合はどのような簿記をするのだろう。
例えば6月1日に保険料を1年分支払った場合であるが、決算が毎年3月31日
であれば、次年度の保険料を支払っていることになるので、次期以降の分を当期の費用から差し引かなけれならない。
前払いした分の勘定項目は、「前払費用」(資産)となる。前払家賃の場合は「前払家賃」(資産)、前払地代の場合は「前払地代」(資産)、前払保険料の場合は「前払保険料」となる。
例 保険料12,000円は、当期の6月1日に支払ったもので
ある。決算において前払いの計上をする。なお、決算日は3
月31日である。⇒2カ月(4月、5月)2,000円前払
い
借方項目 金額 貸方項目 金額
前払保険料 2,000円 保険料 2,000円
↓ ↓
資産の増加 費用の減少
同様に受け取った収益に次期以降の収益が含まれている場合、次期以降の分を当期の収益から差し引く処理しなければならない。
勘定項目は「前受家賃」(負債)、「前受地代」(負債)、「前
受保険料」(負債)となる。
次に、費用の未払いの場合、例えば、借金の場合の利息を次期に支払わなくてならない場合は、当期に費用を計上しなければならない。この場合、勘定項目は「未払利息」(負債)、「未払家賃」(負債)となる。
例 当期の8月1日に現金100,000円を借り入れた。借入
れ期間は1年間で、元本支払い時に利息9,000円も併せ
て支払うこととしている。決算において未払いの利息を計上
する。なお、決算日は3月1日である。
借方項目 金額 貸方項目 金額
支払利息 6,000円 未払利息 6,000円
↓ ↓
費用の増加 負債の増加
*当期8カ月分の利息 8/12×9,000円=6,000円
当期の収益であるが、受け取りが次期以降である場合は、費用
の未払いと同じように、その分を当期の収益として計上する。
とうとう、本命の精算表、貸借対照表、損益見積の作成まで辿
りついた。数字に強くなければ」行政書士として失格であると
私は思う。
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江尻 一夫行政書士事務所
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