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終活と行政書士⑨(遺言書と付言書)

政書士と終活⑨(遺言書と付言事項)
遺言書を知らない人は殆どいないが、付言事項については、知らない人は結構いる。

付言事項とは、簡単言えば、遺言書作成の過程を示すもので、死後の相続ついて、経緯や思いを相続人に伝え理解を得ることを目的としている。

付言書に記載する内容は
①家族への感謝の気持ち
②遺言の動機
③財産配分と意図や理由
④遺品の処分方法
⑤葬儀の方法
⑥残された家族への希望や願い
などである。

付言事項の書き方はいろいろであるが、一例として相続人個別に対して記載する方法もある。

1.遺言者(以下「私」と言います)は、妻○○、長男○○、次男○○とその家族が仲良く幸せな人生を過ごしてくれることを切に願い、この遺言書を作成しました。
2.妻○○には長い間苦労を掛けましたが、いつも明るく私や家族を支えてくれたことに大変感謝しています。今ある財産は、ひとえに○○の内助の功により築くことができたと思います。私は仕事を優先させ、家事育児にはほとんど協力できませんでした。それでも、○○は子供たちを立派に育て上げ、家庭を守ってくれました。したがって、私の財産はすべて○○に相続させることにしました。
長男○○には、大学を卒業してから、私の右腕として、会社の経営を支えてもらいました。すでに会社の運営は任せてありますが、後継者として、会社と従業員をよろしく頼みます。
次男○○には、住宅資金として生前贈与しています。幸せな家族を持ち、生活にも心配がないことから、この遺言では財産を分けません。
私の財産をすべて妻○○に相続させることにしたのは、二人ともそれぞれ家庭を持ち、私亡き後も、母さんと同居することは難しいと思われることから、母さんが一人ででも平穏な暮らしが送ることができるよう考慮したものであることをご理解ください。また万一、母さんにもしものことがあったら、二人でよく相談してこれからのことを決めてください。これからも、兄弟仲良く助け合っていって下さい。

3.以上のような思いから熟慮に熟慮を重ね、この遺言書を作りました。遺留分を侵害する内容になっているかと思いますが、どうか減殺請求などせずに遺言書のとおり相続していただきたいと願っています。

4.みんな、今までありがとう。これからも仲良く幸せに過ごしてください。

付言書は遺言書の最後の条項に記載するのが一般的である。

2020/10/4