終活と行政書士⑧(寄与分)
民法では、相続人の被相続人に対する貢献を遺産分割に反映させる制度が用意されていいる。それが「寄与分」の制度だ。
勿論、寄与分は相続の際の紛争の原因となる。寄与分が認められるには、相続人の被相続に対する「特別の寄与」がなければならない。
「特別の寄与」の要件は次のとおりで結構厳しい。
①対価を受け取っていない。
②被相続人と相続人の身分関係(夫婦であることとか、親子であることなどを言う)から通常期待される程度を超える行為であることなどが必要とされている。この②の要件が厳しい。
具体的に言うと親の面倒を見ているだけでは駄目なのだ。親の面倒を見ることは子供として当たり前だからだ。
通常寄与分が認められることはあまりない。②の要件が満たすことができないからである。
特別寄与に関して、新しい制度が設けられた。相続人でない人が被相続人を面倒を見た場合の「特別寄与料制度」である。
この「特別寄与料制度」であるが
①特別寄与料の主張ができる親族は「6親等内の血族、3親等内の姻族」とされている。
②特別寄与料が請求できるのは「特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月」及び「相続開始の時から1年」以内という短い期間だ。
③裏づける資料がないと特別寄与料を請求することは難しい。
結論としては、相続において特別寄与料が認められるのは稀である。
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