天才行政書士VS弁護士第8話
弁護士事務所が出方がわからないので、私が親族の委任を受けて弁護士事務所と交渉することにした。
私が訴訟地に関して当時者なので、行政書士 江尻 一夫として委任を受けることは問題ないはずだ。
事前に電話で委任状について根回ししたところ1人以外は委任してくれることになった。私に委任しなかったのは、いわき開発の社長と特別の関係がある1人。
奇しくも、一般的にあり得ないことであるが、行政書士として紛争事件に係ることとなった。多忙にもかかわらずである。
それに、文書で通知してきたいわき開発も、文書内容から判断すると、交渉窓口を求めているようである。
それに、おそらく、受理されないだろうが、交渉窓口を設けないと共有地分割協議が成立しないとして、共有地分割請求の訴状を裁判所に提出しかねないからである。
ただし、行政書士は紛争に係ることはできないので、その点をついてくる可能性は否定できない。
いわき開発との交渉に全て当時者として、私は対応してきたが、私は全て勝利している。いわき開発はとって私は獅子奮迅の虫には違いない。
極端な言い方をすれば、私が存在するかぎり、いわき開発は大規模開発工事をできない。何度も私に苦杯をなめさせられているので、今度ばかりはと弁護士法人に交渉を依頼したのかもしれなかった。
下手をすると、入会地を巡っての長期裁判も覚悟しなければならない。
「ああ ついてないな。」江尻は窓の外の綺麗に刈り込みされている生垣を見ながらつぶやいた。
江尻 一夫行政書士事務所
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