小説 田舎行政書士 BCP策定第19話
PCを立ち上げメールをチェックすると感染対策センターからのメールがあった。
重要メールのマークがついていた。メールを大量に送信するため、感染症対策センターでも、必ず読んでほしいメールにマークをつけたのだろう。
メールの内容は、新型コロナウィルス専門外来の設置である。つまり、新型コロナウィルス水際対策が失敗したということである。
複数の市町村単位で新型コロナウィルス専門外来を設置しなければならなくなった。
感染症対策センターの渡辺教授がドクターヘリのことを気に留めていたのは、二次医療圏の設置を予想してのことだったのである。
二次医療圏設置は残念ながら、国が「感染爆発」の可能性を認めたということにはかならない。
「感染爆発」対策の次ににやってくるのは、新型コロナウィルスに伴う中小企業の事業継続だろう。
場合によっては、台風災害の時の罹災証明書の作成支援と同様、行政書士がBCP作成支援を行わなくなる事態も想定される。
BCPの主な対策は次のようなものになる。
・マスクや手袋など衛生用品・食料の備蓄
・社員・職員に対する新型コロナウィルスの教育・啓蒙
・新型インフルエンザ関連の情報収集・連絡体制の整備 (4137社、38.0%)
・職場における感染予防・感染拡大防止策の策定
一方、従業員に向けた対策としては
・手洗い用の消毒液等の設置
・せきエチケットの励行
・本人または家族が罹患したときの出社制限
・マスクの着用
「一刻も早く、中小企業に対するBCP作成支援をしなければならない。」江尻は心の中でつぶやくとメールを閉じた。
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