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行政書士が解説する契約書の作り方②

行政書士が解説する契約書の作り方②
当たり前のことであるが契約書には体裁がある。
契約書の体裁は次のようなものである。
①契約書のタイトル
契約内容に合ったものにする。
②契約書の日付、有効期間
実際に署名者が署名・記名捺印した日付を書くべきである。
③契約書の前文
会社名等の当事者の名前は正確に記載するよう注意が必要です。誤字、脱字及びあと株やまえ株などの違いにも細心の注意を払う。
④契約書の署名・記名捺印(押印)
通常はゴム印やパソコンを使用して記載することが多いと思いますが、極端な話、他人が手書で書いた氏名でも記名になります。記名捺印とは記名した後に印鑑を押すことを言う。
国内契約書作成の際には、必ず、署名捺印または記名捺印が必要と考えておいたほうが間違いない。
但し、署名捺印をもらう場合には 必ず目の前で署名してもらうようにする。そうでないと、その署名が本人のものかどうか簡単にはわからないからだ。
会社の運命を左右するような重要な契約(例: 買収契約等)は、「実印+印鑑証明」を要求するような慎重さが欲しい。
⑤契約書の住所
通常は本社の住所を書きます。商法54条でも「会社の住所は
その本店(本社) の所在地にあるものとする」となってる。
但し、支店・営業所などで支店長・営業所長名で契約締結する
場合は支店・営業所の所在地でも良いとされている。
⑥契約書の名義人
取引先担当者が権限を超えて契約を結ぶこともありえるので
疑問がある場合は相手方に職務権限規程の写しや代表取締役が作成した委任状などの提出を併せて要求しておくべきである。
⑦契約書の収入印紙
印紙を貼らなくても契約書自体の効力に影響はありませんが、「印紙税法違反」として脱税とみなされるので注意が必要である。印紙税額の2倍の過怠税を印紙税額と別に課される。
また、収入印紙の再使用を防ぐために印紙と台紙にまたがって押印をしなければなりません。これを「消印」といいます。消印をしていないことが発覚すると印紙の額面相当額の過怠税(但し、最低1,000円)を取られる。
⑧契約書の割印と契印
同じ契約書を2通作った場合に同時に作成された同じ内容の契約書であることを示すために割印したり、基本となる契約書とその細則を定めた覚書との間に割印することも行われる。
割印は必ずしも記名押印に使用したのと同一の印でなくてもかまわない。
⑨契約書の訂正印と捨印
訂正印と捨印はできるだけ使わない方が良い!
「訂正印」とは重要な文書の字句を訂正する場合、たしかに訂正する権限
のある者(すなわち契約書等の署名・記名押印者)が訂正したことを明確にするために押印するものです。
訂正の際、それが勝手に書きかえられたのではないということを示すために、記名押印に使用したのと同じ印鑑を使用する。
訂正は訂正箇所に二本線を引いて行う。その際に元の文字が読めるようにしておくことが必要だ。そして縦書きならば右横、横書きならばその上に正しい文字を書き、欄外には「削除○字」「加入(または挿入)○字」 と記しておく。
この場合、特に法律で決まっている訳ではないが、「、」、「,」及び「-」などの記号は文字数にカウントする場合の方が多い。(カウントしなくても大きな影響はないが、カウントした方が考え方がシンプルになるので無難である。)
訂正印は欄外の加除箇所の記載のそばに押す場合と訂正箇所のそばに押す場合とがあります。2人以上の記名押印者がいる場合はどちらか一方の当事者が勝手に訂正したのではないことを示すために記名押印者全員の印を押す必要がある。
数字はできれば大字(壱、弐、参等)を使うのが望ましい
  ⇒例えば、「一、二」などは「二、三」などと書き換えができてしまいます。
訂正印はできれば、欄外ではなく、訂正箇所に押す。
  ⇒欄外に押した訂正印は、やりようによっては他の箇所の訂正もできてしまう。
基本的には安易に捨印をするべきではなく、訂正のあった都度、訂正箇所に訂正印を押すようにする。

2020/1/13