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小説 田舎行政書士 第19話

小説 田舎行政書士 離婚業務第19話
佐川様
お世話様です。
11月26日は、一足先に公証役場に行きますのでよろしくお願いします。
令和元年11月25日
行政書士 江尻 一夫
公証人との面談日の前日、念には念を入れて、江尻は、小川 洋子に、明日26日が面談日である旨、メール送信した。
もし、小川 洋子と夫が面談日に公証役場に来なかったら、今までやってきたことが水泡に帰してしまうことになるからだ。
そうなれば、江尻は全く面子を失うと同時に、今まで築いてきた公証人との人間関係も瓦解するだろう。
メールだけでは、不安なので、江尻は小川 洋子に電話を入れた。
「行政書士の江尻です。お世話様です。今、電話よろしいでしょうか?」
「大丈夫です。」小川洋子は明るい声で言った。
「明日、面談日ですが、私は一足先に行っています。」江尻は用件を手短に伝えた。
「あ それから、公証役場の駐車場は狭いですから。」江尻は、駐車場の関係で時間が遅れることを懸念してつけ加えた。
「わかりました。近くの福祉センターの駐車場に駐車します。」小川 洋子は納得したように言った。
「ふ~」電話を終えると、江尻は、思わずため息をした。

2019/12/25