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小説 田舎行政書士 第18話

小説 田舎行政書士 離婚業務第18話
https://www.youtube.com/watch?v=NHU4BS5WG0c
「初めてまして。」相席の女性は名刺を江尻に差し出した。
名刺には、経済産業省経済産業政策局 経済社会政策室 政策官と記載されている。
どうやら、相席の女性は官僚らしい。
「入省して、1年目です。」
「そうですか。」江尻は再び名刺に目をやった。
「女性官僚さんですか。まぁ 一杯」江尻は白ワインを相席の女性に勧めた。
「日本の経済が発展するためには、女性の活躍が必要なんです。」相席の女性はワイングラスをテーブルの上に置くと持論を展開し始めた。
若いのに女性はなかなかの論客である。入省1年目というから、相席の女性は二十代前半の年齢だろう。
「出身はいわきですか?」江尻は話題を変えた。
「先生は、磐城高校出身ですよね。私、先生の後輩です。」
どうやら、相席の女性は江尻のfacebookのプロフィールを読んだらしい。
かもめがやって来て、遊覧船のすぐ近くを悠々と飛び回っている。
「かもめやって来たようです。デッキに上がります。」そう言
うと江尻は席を立った。
江尻が席を立つと、相席の女性が注文した和食が運ばれてきた。
デッキから見る眺望は素晴らしかった。かもめが江尻のすぐ近くまでやって来て、江尻が手にしていた餌をくちばしで奪いとった。

2019/12/24