行政書士が解説する離婚協議書(公正証書)による強制執行
離婚協議書を作成しても公正証書にして、強制執行認諾約款付にしなければ、慰謝料や財産分与の分割払いが滞った場合、給料差押さえなどの「強制執行」はできない。強制執行認諾約款
とは、「強制執行されても文句を言わない。」という文言の条項のことである。
強制執行を行うためには、まず最初に行うことは、支払いを促す通知をすることだろう。通知は内容証明で行うのがよいだろう。通知を見て、相手が話し合いに応じて支払いすれば強制執行する必要はない。
相手が話し合い応じず、支払いに応じなければ、強制執行の手続きをしなければならない。
強制執行できる財産は
①不動産
②動産
③債権
があるが、実際に強制執行を行うために差押がしやすく財産は、給与債権である。相手がどこに勤めているのかということは常に把握しておく必要がある。また給与債権は一度差し押さえてしまえば、毎月差し押さえる必要がなく、養育費のような継続的な支払いが必要なものには非常に適している。
さて、強制執行のための手続きであるが、
①執行文の付与申請(執行文とは「この書類で強制執行することができる」という文章のことです。通常、公正証書の場合はその作成時にはこの執行文は付与されない。申請は、公正証書を作成した公証人役場で行う。)をする。
②強制執行申立書を住所地を管轄する裁判所に提出する。添付書類は以下のとおりである。(司法書士や弁護士に依頼してもよいが、簡単なので自分でもできるだろう。)
・差押命令申立書→差押の命令をしてもらうための書類。
・相手の宛名を書いた長3型の封筒
・当事者目録→申立人、相手方、給与を差押える場合は相手の
務める会社も記載します。
・相手が務める会社の登記簿謄本(法務局で取れる。)→給与
を差押える場合に必要。
・請求債権目録→請求する債権の内容について記載。
・差押債権目録→差し押えする債権の内容について記載します
・住民票・戸籍謄本
強制執行の手続きは行政書士には依頼できないので注意が必要だ。
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