NHKのクローズアップ現代の「追跡!“フェイクネット広告の闇」という番組は衝撃だった。
あの世界的なネット販売業者アマゾンに嘘の広告が流れているというから驚きである。
さらに、驚かさせられるのは、日本の大手メディアにもフェイク広告が堂々と掲載されているということだ。
「アフリエィト」というネット販売システムがフェイク広告の拡散に一役買っているというがその実態はよくわからない。
さて、フェイク広告を取締まる法律であるが、
まず、フェイク広告によって特定の個人や事業者に損害を与えた場合には、名誉毀損罪(刑法230条)や偽計業務妨害罪(刑法233条)に問われる可能性がある。
同時に民事上の損害も生じるなら民法の不法行為規定(民法709条・710条)に基づく損害賠償責任も問われる。
また、フェイク広告のが生命健康に関する内容であった場合には医薬品医療機器法や健康増進法の適用対象になる。
景品表示法の適用対象は「自己の供給する商品または役務の取引」に限定されているため、自己で販売はしないアフィリエイトシステムや営利目的では無い記事には同法の規制が及ばない。が、医薬品医療機器法や健康増進法の適用対象は「何人も」とされているため生命健康に関するデマ情報は規制対象になる。
アフィリエイト運営者にも誇大広告の責任を認めた判例はある。(東京地裁平成20年10月16日判決では、FX取引の誇大広告の責任について販売者とアフィリエイト・サイトの両者に認めている。)
インターネットで匿名による情報発信であったとしても、プロバイダ責任制限法の手続に沿って発信者の情報開示請求を行えば、発信者を特定できるケースは多い。
このフェイク広告問題に、行政書士もプロバイダー責任制限法に定められている「発信者の情報開示請求」より積極的に関与すべきではないだろうか?
江尻 一夫行政書士事務所
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