行政書士と刑法の基礎35(間接正犯)
まず最初に、間接正犯は共犯ではないと言っておかなければならない。
共犯以外の犯罪は単独直接正犯である。間接正犯は、間接的に自己の犯罪を実現することである。
つまり、間接正犯を考える上で重要なのは、直接的に自己の犯罪を実現するか(直接正犯)、間接的に自己の犯罪を実現するか(間接正犯)である。
間接正犯の他人は間接正犯者の従属者である必要はないのである。自由な意思を持っている場合でも間接正犯は成立する。
間接正犯は相手方を一方的に利用し、犯罪を実現する行為である。つまり、相手方を一方的に利用できるだけの関係である必要がある。
間接正犯で重要なのは次の2つである。
①関係性
未成年者は成年者に比べて「一方的に利用」しやすい者なので、間接正犯は認められやすい。また、日常的に支配関係にある場合も同様
である。注意をすべきは、一方的に利用される者の弁識能力は問題にならないという点である。
②利用状況
窃盗など簡単に行うことのできる行為、他に助けを呼べない 場所でなどであった場合は間接正犯が認められやすい。
①②に共通するのは、相手方を一方的に利用して、犯罪結果を実現したことであり、間接正犯の重要な要件である。
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