行政書士と税法24
戦前は「世帯単位」課税であった。つまり、課税単位を世帯単位としていたのである。
戦後は、個人主義を掲げる日本憲法によって、個人単位課税となった。憲法が変われば税法も変わるのである。
しかし、所得税は例外で事業者が生計を一にする配偶者等の親戚に高い給与支払うなどして、高い累進課税を逃れる不正を防止
するために、所得税法第56条の規定により、生計を一にする配偶者の親族に支払う給与を必要経費として控除できなくなったのである。
このことは、戦前の「世帯単位」課税を彷彿とさせる。もちろん、例外もある。配偶者が「青色事業専従者」であれば、必要経費に算入で
きるので、白色申告においても青色申告制度と同様の制度がある。
青色申告制度があるのは、所得税と法人税に限られている。法人場合は、99%が青色申告であるが、所得税の場合は、青色申告を行って
いるのは59%程度であると言われている。しかし、消費税の納税義務がある事業者には白色申告であっても会計記帳が義務づけられているが、
簡易な方法による記録でよいことになっている。だだし、従来は青色申告者に対する更正処分の際の「理由付記」が白色申告者にも認められる
ようになった。
最近では、情報提供を義務づける「国外財産調書制度」、「財産債務調書」、租税回避行為に関与した税理士に対する「租税回避スキーム報告制度」
など新たな制度が発足し、節税に対する税務署の対応が厳しくなっている。
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